「歯周ポケット」という言葉は、最近テレビ、雑誌等によく登場しますのでご存じの方も多いと思います。歯周病の進行の度合いと深い関係があるのが(歯周)ポケットです。このため歯周病の診査、治療計画にはポケット測定検査が不可欠です。
ポケットは、歯と歯肉(歯ぐき)の間にある溝のことで、通常1~2㎜の深さがありますが、細菌が侵入するにしたがい深くなります。
歯周病が進行すると、歯を支えている歯肉や歯槽骨は細菌の出す毒素で破壊されてしまいます。4㎜以上で中等度、6㎜以上でやや重度の歯周病、8~10㎜以上の重度の場合では回復はかなり困難です。
*歯周病が進行するにつれポケットは深くなる*
健康な歯肉
ポケットは1~2mmで炎症はなく歯肉は引き締まっています。
歯周病末期
ポケットは一部で10mm以上。ここまでくると抜歯せざるを得ません。
ポケット測定器ポケットの深さは上のような「ポケット測定器」で一本ずつ測定します。精密検査では一本の歯について5~6カ所測ることもあります。検査の時の痛みなどはほとんどありません。患者さんの自己管理と歯科医の治療が成功して歯周病が回復すれば、ポケットは再び浅くなります。歯周病の治療や経過観察中には1~数ヶ月おきにポケット測定をします。
ポケット測定検査
ポケット測定検査歯周病が進行しているとポケットが深くなるので測定器が深くはいる。右上はほぼ正常な場合。