「リンゴをかじると歯ぐきから血がでませんか?」というのは有名なCMのキャッチコピーですが、これは意外にも、かなり正確な歯周病の進行の目安になります。
今月は歯周病の進行の度合いを自分で大まかにチェックするポイントをお話しします。
★健康な歯肉
色は明るいピンク色で歯と歯の間の歯肉(歯間乳頭といいます)は三角形に引き締まっています。ブラッシングはもちろん、多少のことでは出血などしません。
★初期歯周炎(歯肉炎)
ブラッシングで歯垢(原因菌)が十分に除去されないと歯周病が始まり、歯ぐき(歯肉)が腫れてやや暗い色調になってきます。歯間乳頭が炎症のため丸みを帯びてくる時期です。この時期にでてくる主な症状は、
○歯を磨いた時に歯ぐきから出血することが多い。
○奥歯に小指を立ててかきとると、白っぽいものがつく
○朝起きた時、口の中が粘ついた感じで不快。
などです。恐いのは「痛い、腫れた」などの強い自覚症状が一切無いということで、あなたが気づかぬうちに歯周病は静かに、そして確実に進行してゆきます。これを防止するには定期検診が最も効果的です。
★中等度~重度歯周炎
歯周病の原因菌が歯肉の奥深くに入り込み、歯を支える骨(歯槽骨)を溶かしてゆきます。支えを失った歯肉は下がりはじめ歯根が露出してきます。
○歯ぐきがムズがゆい感じがする。
○歯と歯の間に、よく食べ物がはさまる。
○歯ぐきに痛みがある。歯が浮いたような感じがする。
○鏡で見ると、歯が以前より長くなったように見える。
○口臭があると親しい人に言われた。
○水を飲むと、歯や歯ぐきがしみて痛い。
○歯ぐきを押すと、くさい膿が出ることがある。
○手で押すと、歯がグラグラする感じがある。
○歯がぐらついてしまい、食べ物を噛みきれない。
ここまで進んだ段階で初めて強い症状が現れ、歯科を受診したときには回復困難な状態になっていることも少なくありません(詳しくは「歯と健康のために」歯周ポケットってなんだろう をご覧ください)。「ちょと怪しいかな」と思ったら歯科医院でチェックしてもらうとよいでしょう。